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2022 年度 実施状況報告書

国際化に対応した外国人患者のための医療提供ー平易な言語使用(日・英)の提言ー

研究課題

研究課題/領域番号 22K10393
研究機関中部学院大学

研究代表者

五十嵐 小優粒  中部学院大学, 留学生別科, 講師 (80827783)

研究分担者 高山 裕子  国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (00637803)
斎藤 隆枝  国際医療福祉大学, 総合教育センター, 助教 (20827802)
坂口 美知子  国際医療福祉大学, 総合教育センター, 講師 (50740958)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードPlain language / 平易な言語使用
研究実績の概要

1.医療系大学の学生を対象に「Plain Language」を導入し、その効果を調査した。導入前は、将来勤務するであろう医療機関での外国人患者対応やスタッフとの協働に消極的であったが、導入後のアンケートでこれらに対するモチベーションの向上が見られた。それだけでなく、「Plain English」の導入後には学生自身の英語運用能力の自己評価が上がったことから、平易な言語使用を教育現場で扱うことの副次的な効果まで確認できた。
2.伝わりやすい表現の使用を目指す際に、意思伝達の妨げになりやすい「伝わりにくい表現」を同時に提示する必要性について主張した。同じ会話文を聴いた時、日本語の母語話者と非母語話者では伝わりにくいと思う表現に違いがあることを調べ、例えば話し言葉特有の省略表現などの使用を控えるように、という旨の情報共有も「Plain Language」の普及と並行させるべきであると提言した。
3.「やさしい日本語」や「Plain Language」を確実に伝えられるように構築するためには、言語の使い手にある程度の文法知識があったほうがよいという提言を行なっている。ともすれば退屈だと思われがちな国語文法を、日本語母語話者に楽しく分かりやすく伝え、その特徴を踏まえた平易な言語使用ができるよう、取り扱い方の工夫を考えている。これについて、これまで行なったセミナーでは、参加者の方々から「分かりやすく有意義な講演であった」との意見が出ている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の代表者および分担者2名が申請当初の所属先を離れたことにより、医療機関における「Plain Language」の普及活動は困難になった。そこで本研究は今年度より大きく方向転換をはかり、大学生を中心とした「Plain English」の導入と並行して、外国籍の方々が生活の中で読み取るべき情報や資格試験の言語に「Plain Language」を用いることを提言する。さらに、より伝わりやすくするために使用を避けるべき表現の提示も積極的に行ない、多くの人に確実に伝わる伝達方法の普及に取り組んでいく。

今後の研究の推進方策

本研究では現在、特定技能や技能実習で来日している多くの外国人が受験する介護福祉士国家試験の問題を分析している。特に発問文に着目し、そこで使用される独特の表現が外国人の理解を妨げている可能性を指摘したい。
このことは、その他の試験問題や多業種で指示を与える際などにも応用できるもので、広く言語政策の観点から考察することで社会貢献に繋げられると考えている。

次年度使用額が生じた理由

当初の研究計画に変更が生じたことに伴い、早い段階から成果発表が可能になった。さらに、新型コロナウィルス感染対策が緩和されたことから、国際学会の開催が多くなり、想定よりも多くの旅費が必要になったため、次年度使用額が生じる結果となった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 「Plain Language」の導入効果ー医療系大学の学生を対象にー2022

    • 著者名/発表者名
      五十嵐小優粒 , 斎藤隆枝
    • 雑誌名

      地域ケアリング

      巻: 9月号 ページ: 54-56

    • 査読あり
  • [学会発表] 「Plain Language」のニーズ調査―医療系大学の学生を対象に―2022

    • 著者名/発表者名
      五十嵐小優粒 , 斎藤隆枝
    • 学会等名
      日本言語政策学会第24回研究大会
  • [学会発表] 「分かりにくさ」の認識―母語話者と非母語話者の違いに着目して―2022

    • 著者名/発表者名
      五十嵐小優粒
    • 学会等名
      アジア人材還流学会 ハノイ国際セミナー2022
    • 国際学会
  • [学会発表] 質の高い「Plain Language」構築のためにすべきこと2022

    • 著者名/発表者名
      五十嵐小優粒
    • 学会等名
      JPELC国際会議2022
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] 中部学院大学・中部学院大学短期大学部 教員業績

    • URL

      https://www.acoffice.jp/cguhp/KgApp?resId=S000342

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公開日: 2023-12-25  

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