研究課題/領域番号 |
22K10658
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
坂本 由希子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (20342272)
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研究分担者 |
池田 敬子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (60331807)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 口腔ケア / 高齢者 / 口腔内細菌 / 唾液分泌 / 不顕性誤嚥 |
研究実績の概要 |
本研究は虚弱高齢者の夜間の不顕性誤嚥の対策のための効果的な口腔ケア方法開発を目指し、就寝前の洗口液による口腔ケアが口腔内細菌数や唾液分泌にどのような影響を及ぼすかについての基礎資料を得ることを目的としている。 2022年度は、文献検討を実施するとともに、健常者を対象に測定に使用する機器を用いて予備実験を実施した。それにより検体採取方法や採取回数、研究対象者の除外基準の設定について検討した。また健常高齢者の日常的な口腔ケアの取り組みについても予備調査し、口腔内細菌数と関連する項目について検討し本調査における調査票の項目の絞り込みを行った。在宅で生活している高齢者9名の口腔衛生状態についての予備調査では、1日の口腔ケアの回数は1~5回(中央値2回)、眠前に口腔ケアを行っているのは5人(56%)、1回の口腔ケアに要する時間は3分以内がほとんどであった。これは先行研究とほぼ同様の結果だった。口腔清掃に用いている用具は9人全員が歯ブラシを用いており、4人(44%)が歯ブラシ以外にフロスや歯間ブラシなどの清掃用具を併用していた。洗口液を日常的に使用しているのは1名(11%)、義歯あり(部分義歯)は5人(56%)、口腔内乾燥の程度は正常4人(44%)、境界域4人(44%)、乾燥1人(11%)であった。質問紙による判定で「誤嚥の疑いあり」は1名(11%)、フレイルと判定された者はいなかったがプレフレイルと判定されたのは7人(78%)だった。 口腔ケアの実施状況は個人差があり、口腔内細菌数との関連を検討するとともに測定条件の調整を検討する必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染状況に応じて、予備実験を進める予定にしていたが、マスクを装着した生活や外出を控える生活が長く続いていることから、予備調査に協力が得られる高齢者の確保に時間を要した。居住地域の感染者数の減少に伴い、少しずつ研究に参加協力が得られる状況となってから少しずつ予備調査を進める結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類感染症に変更された後も十分な感染対策を講じた上で、対象者が安心して研究に参加できるよう留意して計画し、実施していく予定である。文献検討と予備調査の結果から具体的な介入計画を作成し、測定条件の調整を重ねた後、本実験の実施、評価を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定よりも研究の進捗が遅れ、消耗品の購入時期が変更となった。 次年度は実験で使用予定の消耗品を購入するとともに、研究成果をまとめるための費用に使用予定である。
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