研究課題/領域番号 |
22K10767
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
田中 千尋 帝京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (00755952)
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研究分担者 |
佐藤 達哉 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (90215806)
安田 裕子 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (20437180)
土元 哲平 中京大学, 心理学部, 任期制講師 (10897622)
吉田 さとみ 梅花女子大学, 看護保健学部, 准教授 (90634634)
下條 三和 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90586299)
坂本 貴子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90758426)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 看護教員の力量形成 / 複線経路等至性アプローチ / イマジネーション / 行き詰まり / 意味付け |
研究実績の概要 |
2023年度は昨年に引き続き理論的探索を続けながら、データ収集を中心に実施した。理論的探索ではヤーン・ヴァルシナーの著書「AN INVITATION TO CULTURAL PSYCHOLOGY」の翻訳に従事し、複線径路等至性アプローチ(TEA)の理論的精緻化に努めた。さらに数年に及ぶCOVID-19 危機をはじめとする様々な危機に直面しながら、看護教員はいかに自身と向き合い力量を形成しているか、径路における分岐点に焦点を当て、イマジネーションループモデルを用いて分析をすすめている。看護教員の力量形成プロセスにおける「行き詰まり」といった一見ネガティブにみえる経験には、語ることを通して意味づけられる新しい見方や展結的解が見出され、教員のライフ(生命・生活・人生)を貫く信念に近いものが浮き彫りとなった。引き続き教員を取り巻く環境や関係性にも着目し分析を継続していく必要がある。 また、2023年度はこれまで分析した成果を、論文発表というかたちで可視化することができた。今後も継続してデータ収集、分析に努めながら、看護教員の力量形成プロセスいついて、一人のプロセスから発展的に複数人のプロセスのモデリングに挑むことが課題である。 本研究が当初着目した「過去に受けた教育・経験、現在のしがらみに囚われず、未来像から逆算して看護教育ができる人材を育てる」ために、看護教員の力量形成プロセスにおける分岐点に焦点を当てていくことは重要な視点である。プログラム開発という重要な目的を達成するためにも、看護教員の力量形成を取り巻く現状の課題と可能性を明確にしていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ収集に関しては2022年度の困難感(主に感染症に伴う)は解消され、研究協力者の前向きな協力により進んでいる。本研究が当初着目した「過去に受けた教育・経験、現在のしがらみに囚われず、未来像から逆算して看護教育ができる人材を育てる」ためのプログラム開発は引き続き重要な目的である。目的を達成するためにも、看護教員の力量形成を取り巻く現状の課題と可能性を明確にした上で着手する必要があるため、計画を一部練り直しながら進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は昨年度に引き続き、データ収集、分析を継続しながらモデリングの可視化に努めていく。さらに看護教員の力量形成を取り巻く現状の課題や可能性を明確にした上で、プログラム開発に向けた理論的な素地を明らかにしていく。具体的には統合TEM図を作成し、成果発表に繋げていく。 イマジネーション理論の精緻化とTEAとイマジネーションの融合については、看護学以外の研究分担者と協力し、理論的背景の理解に努め、質的研究全般に関わる最新かつ国際的な情報や示唆を得ながら研究を継続していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度に引き続き、実証研究である「TEAを用いた看護教員の力量形成プロセスの解明」におけるデータ収集ならびに分析にかかる費用他を次年度使用額として繰り越すこととしたため。
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