研究課題/領域番号 |
22K10803
|
研究機関 | 四日市看護医療大学 |
研究代表者 |
松田 陽子 四日市看護医療大学, 看護医療学部, 講師 (90515850)
|
研究分担者 |
大西 信行 四日市看護医療大学, 看護医療学部, 准教授 (20336712)
萩 典子 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 教授 (30460645)
永住 沙樹 四日市看護医療大学, 看護医療学部, 助教 (00966351)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 家族 / 統合失調症 / 心的外傷後成長 / 家族心理教育 |
研究実績の概要 |
統合失調症をもつ当事者をケアする家族は、当事者の疾患により家族自身も辛く苦しい時期を経たのちに、自己を内省し、自己の成長を感じていると言われている。このようにもがき苦しんだ状況からの心理面の成長を、心的外傷後成長(Posttraumatic growth; PTG)という。本研究では、統合失調症をもつ当事者の家族が、家族心理教育への参加により内省(辛い出来事に対する認知の意味づけの変化)を行い心的外傷後成長が生じることを検証することを目的とし、横断研究及びコホート研究デザインを用いる。 2022年度は、調査内容を検討するため、文献レビューを行った。文献レビューを基に、統合失調症をもつ当事者の家族の心的外傷後成長に影響を与える要因(疾患による出来事がどれほどその人に影響を与えたか、家族心理教育への参加;知識を得る機会と効果的な対処行動を行うこと、出来事に対する肯定的な意味づけ)を選定した。また、研究者らがこれまでに実施した統合失調症を持つ当事者の家族と心的外傷後成長との関連については、論文による発表を行った。文献レビューの結果に関しては、学会発表の準備を行い2023年度に発表を行う予定である。 2022年度は、Covid-19による影響から施設内に家族が入れない状況が継続したため、対象者に質問紙を配布して行う調査が難しい現状であった。2023年度は、文献検討により明らかになった影響要因から質問紙票を作成し、統合失調症の家族を対象とした家族心理教育の参加による心的外傷後成長の変化を検証する調査を実施予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Covid-19の影響により1)施設内に家族が入れない状況であったこと、2)家族心理教育が施設にて従来通り実施されなかったことから、研究対象者に質問紙を配布する環境が得られず、質問紙調査の計画・実施が行えなかったため予定より遅れた。
|
今後の研究の推進方策 |
Covid-19による施設への影響も落ち着いてきたため、今年度中に、統合失調症をもつ当事者の家族で家族心理教育を受ける予定の家族、過去に受けたことのある家族を対象に、質問紙調査(横断研究・コホート研究)を実施する。 しかし、家族心理教育を家族への実施する援助は、Covid-19の影響によりまだ実施が難しい状況も考えられるため、影響が生じている場合は横断研究から実施していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は、研究の遂行にやや遅れが生じた(調査が実施できなかった)ために次年度使用額が生じたが、2023年度はその遅れを取り戻すことによって計画的に使用していく。
|