研究課題/領域番号 |
22K10808
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
近藤 協子 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (60897049)
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研究分担者 |
新井 清美 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (50509700)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 植込型補助人工心臓 / 社会復帰 / 社会復帰支援 / 就労支援 / 心不全 |
研究実績の概要 |
植込型補助人工心臓(LVAD)実施施設に所属するVADコーディネーターを対象に実施した質問紙調査のデータを分析し、LVAD新規装着者の社会復帰率が48.2%であることや、各施設でLVAD装着後に社会復帰した患者(装着者)の業種、雇用形態、就業時間などの実態が明らかになった。 社会復帰時期により装着者の特徴の差を検討すると、退院後早期に社会復帰した装着者は社会復帰に時間を要した装着者と比較して「家族や友人の伝手がある」ことが示された。 また、社会復帰が難しい装着者の特徴についてコーディネーター自身の考えを尋ねたところ、「職場(学校)に介護者がいない」、「職場(学校)の理解が得られない」などの回答が多く、「機器トラブルが多い」、「機器の自己管理ができない」などの回答は少なかった。 これらのことから、LVAD機器や装着者本人の問題よりも、職場(学校)や周囲の人々から理解と協力を得られるかどうかが社会復帰に影響している可能性がある。 今回の調査は医療者から見た社会復帰の実態であり、また対象者が少なかったことから、今後はLVADを装着した当事者やその介護者を対象とした調査を行っていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
次の段階としてLVADを装着した当事者を対象とした調査を予定しているが、国内における植込型補助人工心臓実施施設の数や装着者数が限られていること、また各施設で調査を行う際に窓口となってもらう医療者が非常に多忙であることから、対象者の確保が難しいことが課題となっている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、各施設で装着者とその介護者を対象とした調査を実施するための調整を進めている。対象者の確保についてある程度の目途が立ったら、各施設で窓口となってもらっている医療者とも相談の上、実行可能な方法(質問紙調査あるいは面接)で調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗状況が当初の計画より遅れているため、調査のための交通費や印刷費等に未使用分が生じているが、調査を実施する際にはこれを使用する。
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