研究課題/領域番号 |
22K10824
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
伊藤 桂子 東邦大学, 看護学部, 教授 (40600028)
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研究分担者 |
松本 敦子 東邦大学, 看護学部, 非常勤研究生 (00796849)
真栄里 仁 独立行政法人国立病院機構琉球病院(臨床研究部), その他部局等, 部長 (90560558)
後藤 喜広 東邦大学, 看護学部, 講師 (40758207)
緑川 綾 東邦大学, 看護学部, 助教 (30791074)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | アルコール依存症 / 行動変容支援プログラム / デジタルコンテンツ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、SAT(Structured Association Technique)法に基づくデジタルコンテンツを活用したアルコール依存症者のための行動変容支援プログラムの開発とその効果を検証することである。本研究で開発するプログラムではSAT法を活用し、ある程度の教示によってアルコール依存症者が自身の情動反応やストレス段階に目を向け、毎日短時間のセルフケアを行うことにより飲酒につながる行動の変容を支援し、再飲酒のリスクが低減されることを検証する。 本研究ではSAT法に基づくデジタルコンテンツを活用したアルコール依存症者のための行動変容支援プログラムの開発とその効果を検証するために3段階のプロセスで計画している。1段階では、SAT法に基づくデジタルコンテンツを活用したアルコール依存症者のための行動変容支援プログラムを作成する。2段階では、開発した行動変容支援プログラムを用いた予備調査を実施して、その結果から行動変容支援プログラムを改修し、完成版を作成する。3段階では、行動変容支援プログラム完成版の効果検証のための調査を行う。 2023年は、試作したSAT法に基づくデジタルコンテンツを活用したアルコール依存症者のための行動変容支援プログラムの予備調査を行い、その結果からプログラムを改修した。さらに、その後のプログラムの効果検証のための調査を計画し、現在研究協力者の募集を行っている。研究デザインは介入研究とし、介入期間は4週間である。効果検証はプログラムを実施する前と実施中、実施後のデータを反復測定分散分析法により解析する。比較するデータは心理尺度を用いたデータと血圧、心拍の生理的データである。研究対象は専門治療を終了したアルコール依存症者であり、断酒期間が4年未満の者15名程度とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年‐2023年に実施した予備調査の研究対象者の募集およびデータ収集に時間を要したことから、研究計画の遅れが生じている。これには、コロナ禍によりアルコール依存症者の自助グループがオンライン開催に変更されたことにより、思うように募集活動ができなかったことも影響している。 今後の効果検証の調査については、対象者の募集を都内および近県のアルコール依存症者の自助グループやクリニックで募集案内を配布し、募っている。現在のところ、研究対象者6名への介入調査を実施中である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は改修したSAT法に基づくデジタルコンテンツを活用したアルコール依存症者のための行動変容支援プログラムの効果検証の調査を実施する。調査の研究対象数15名程度を確保するために、神奈川県のアルコール依存症者の自助グループやクリニックでの募集を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年は、2022年度から始めた予備調査において、研究対象者のリクルートから4週間の介入調査終了のタイミングに関連して想定より多少期間が延長したため、行動変容支援プログラムを改修するまでに時間を要した。研究計画では3段階の効果検証の調査を開始する予定であったが、実施に至っていないため、次年度使用額が生じている。 2024年度は3段階の効果検証の調査を実施するため、データ解析などに研究費を使用する予定である。また、学会等で研究成果の発表をする予定であり、そのための諸経費にも支出する。
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