研究課題/領域番号 |
22K10848
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
明石 惠子 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (20231805)
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研究分担者 |
澤田 美和 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 助教 (80938548)
中神 克之 名古屋女子大学, 健康科学部, 教授 (20551237)
江口 秀子 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 教授 (90512343)
森木 ゆう子 大阪公立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (70374163)
松田 麗子 名古屋女子大学, 健康科学部, 講師 (30552559)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 倫理的行動 / 臨床倫理活動 / 医療従事者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、①施設に勤務する医療従事者の臨床倫理活動の実態と倫理的行動との関連を明らかにする、②縦断研究によって、臨床倫理活動による医療従事者の倫理的行動の変化を明らかにする、の2点である。2023年度には、医療従事者の倫理的行動の概念分析を継続して実施し、その結果をふまえて倫理的行動の質問紙暫定版を作成してプレテストを実施した。 概念分析によって得られた倫理的行動の属性は「尊厳の遵守」「コンフォートの促進」「共有意思決定支援」「チーム医療の推進」であり、これらに関する行動を質問項目とする質問紙暫定版を作成した。倫理的行動に関する質問は39項目で、それらに対して「全くあてはまらない」「あてはまらない」「どちらかといえばあてはまらない」「どちらかといえばあてはまる」「あてはまる」「大いにあてはまる」の6段階で回答を求めた。また、基本情報として、年齢、性別、最終学歴、職種、現職種の経験年数、職位を求めた。 プレテストの対象は名古屋市内の規模の異なる医療機関2施設に勤務する医師・看護師・薬剤師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・ソーシャルワーカーとした。315名に配付し、101名(32%)の回答を得た。回答者の職種は医師14名(14%)、看護師56名(56%)、薬剤師2名(2%)、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士26名(26%)ソーシャルワーカー3名(3%)、職位は部長クラス以上7名(7%)、副部長・課長・看護師長クラス11名(11%)、係長・主任クラス21名(21%)、一般職員60名(60%)、その他2名(2%)であった。 倫理的行動に対する回答の歪度と尖度が±1を超える項目が4項目あり、それらを除いた35項目のα系数は0.962であった。これを元に因子分析を行い、結果を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度中に倫理的行動を測定する質問紙を完成させ、その質問紙を用いて医療従事者の倫理的行動の横断調査と縦断調査を開始する予定であった。しかし、倫理的行動の概念分析とその結果に基づく質問項目の設定に時間を要した。また、プレテストの実施においても、回答者が少なかったため回答期間を延長した。結果の分析にも時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
プレテストの結果をもとに医療従事者の倫理的行動の質問紙を完成させる。そして、施設に勤務する医療従事者を対象として、2022年度の研究によって明らかにした臨床倫理活動(臨床倫理委員会、倫理コンサルテーション、倫理カンファレンス、倫理教育、その他)の実態と倫理的行動との関連を調査する。さらに、縦断研究によって、臨床倫理活動による医療従事者の倫理的行動の変化についての縦断調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた主な理由は、次の通りである。①横断調査・縦断調査を予定していたが、プレテストの実施に時間を要したため、実施できなかった。②より安価な翻訳ツールシステムとアンケートシステムを使用している。 次年度は、質問紙調査と面接調査を実施する予定であるので、その準備と協力謝礼、データ入力などに使用する。また、統計解析ソフトや書籍を購入する。
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