研究課題/領域番号 |
22K11004
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
塩田 敦子 香川大学, 医学部, 教授 (90221291)
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研究分担者 |
芳我 ちより 香川大学, 医学部, 教授 (30432157)
松本 啓子 香川大学, 医学部, 教授 (70249556)
川田 紀美子 香川大学, 医学部, 教授 (70709592)
井町 仁美 香川大学, 医学部, 准教授 (80380187)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 月経前症候群(PMS) / プレコンセプションケア / 低血糖 / 教育プログラム |
研究実績の概要 |
研究対象者8名(年齢 23.1±0.93歳)にて以下の結果を得た。 1)5時間75gOGTT結果:負荷5時間以内に月経前後ともに低血糖(<70mg/dL)を示したものが5例(5/8)、月経前にのみ示したものが1例で月経前の低血糖は6例(6/8:75%)でみられた。ふだん朝食を摂る2例では、1例で月経前のみ低血糖を示し、1例は低血糖を示さなかった。変動幅が月経後より月経前の方が大きかったものが6例(6/8:75%)であった。 2)日常生活における月経前後2週間の持続血糖モニタリング(CGM)による血糖日内変動データ:至適血糖域の率が、月経前より月経後が多かったものは5例であり、その5例は月経前に低血糖域が多くなっており、低血糖を示すことが月経前でやや多い(5/8:62.5%)結果であった。 3)MDQ(Menstrual distress questionnaire) スコア表による月経前症候群(PMS)の有無と血糖変動との関連:MDQスコア評価にてPMSを有したものは6例、75%であった。5時間75gOGTTでは、PMSの6例中5例で低血糖エピソードおよび変動幅の増加がみられたが、PMSのない2例では1例であった。CGMではPMSの6例中3例、PMSのない2例で、月経後より月経前で低血糖を示すことが多かった。残念ながら5時間75gOGTTの結果や黄体期の低血糖エピソードと、PMS症状の関連ははっきり認められなかった。PMS症状の強いものは朝食を摂っている2例であったことからPMS症状や低血糖による不快感を減らすために、知らず知らずのうちに経験から食事の工夫を行い朝食を摂る行動をとっている可能性があると考えた。 以上の結果について、令和5年12月9-10日の第43回日本看護科学学会学術集会(下関)にてポスター発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題の進捗について、予想より手順が煩雑で、5時間75gOGTTの施行に5時間の拘束時間が2回生じることで、多くの症例を集めることができていない。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画を縮小し、人数については30名程度と目標に、今年度は研究参加者を増やしたいと考えている。少ない人数であっても詳細に検討することで、日常の生活の中での血糖変動を解析し、低血糖を防いでPMS症状を改善できるような食事を中心として教育プログラムを作成したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は実際に研究を始動したが、拘束時間等のためかなかなか協力者が集まらず、10人の参加であった(解析対象となったのは8名)。そのため、必要物品の購入費用が多くはなかった。 それでも物品費支出が出たのは、研究用に使用していたPCが故障したため、急遽PCを購入したためである。 次年度は、研究協力者のリクルートに努め研究を遂行し、また最終目標である、食事を中心とした教育プログラムを作成するための資料購入などに使用する予定である。
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