研究課題/領域番号 |
22K11470
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
新井 清美 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (50509700)
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研究分担者 |
森田 展彰 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10251068)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 学生アスリート / アディクション / 支援ツール |
研究実績の概要 |
本年度は、学生アスリートへのアディクションを考慮したメンタルヘルス支援の実態を把握することを目的に、無記名自記式質問紙調査を実施した。研究者間で対象の検討を重ね、関東地方および近畿地方に所在する大学の健康管理を担う部門と、スポーツ系学部またはスポーツ強化を行う部門の責任者(以下、どちらも支援者とする)とした。郵送またはメールで調査の依頼をし、Googleフォームまたは紙媒体の何れかで回答を得た。尚、本調査では単科および芸術系学部等のみを有する大学は対象から除外した。 回収率は15.8%である。飲酒、ゲーム・インターネット・SNS、食べ吐きへの過度なのめり込みにより支援者に相談する学生アスリートは年間数名みられ、これらはのめり込みが表面化することで本人や周囲の人々から問題として認識され、支援につながっている様子が窺えた。この様な現状はあるものの、学生アスリートに向けて過度なのめり込みと、それによる影響に関する教育や研修会を行っているとの回答は2割に満たなかった。また、回答のあった支援者の約半数は「学内で連携できるサポートチーム」、「学外の専門家からの助言やサポート」、「困った時に相談できる人や場所」、「対応のためのマニュアルやツール」、「問題が生じているかを判断するアセスメントツール」を求めていた。 本年度実施した研究の成果は、本研究の成果物であるアディクション対策のための支援ツールの検討を進めていく上で参考となる重要なデータであるとともに、支援ツールを作成することの必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は支援者および学生アスリートの調査を開始する計画であった。調査依頼に時間を要したものの、支援者への調査を実施することはできた。この調査については実施期間が短く、十分な回収率が得られたとは言えない。このことから、調査期間を延長して回収率を向上させる、あるいは依頼先を拡大する等、我が国における学生アスリートへのアディクションを考慮した支援の実態把握に向けて検討を継続していく。 また、依頼方法等の検討に時間を要したため、学生アスリートへの調査開始には至っていない。この調査の準備が整い次第、次年度の早い時期に開始する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降も引き続き支援者への調査を行う。また、学生アスリートのアディクションの実態把握のための縦断調査と、アディクションを有する対象へのインタビューを行い、支援ツール作成のための基礎データとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症に伴い、本年度は調査旅費が生じなかった。また、学生アスリートへの調査も開始する予定であったが、計画に遅れが生じたために次年度使用額が生じた。次年度も支援者調査の継続および学生アスリートへの調査を実施するため、未使用額は調査費用として使用する。
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