研究課題/領域番号 |
22K11470
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
新井 清美 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (50509700)
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研究分担者 |
森田 展彰 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10251068)
鶴身 孝介 京都大学, 医学研究科, 助教 (20760854)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 学生アスリート / アディクション / 支援ツール |
研究実績の概要 |
本年度は、学生アスリートが取り組む競技の種類および競技シーズンによるアディクションリスクの実態を明らかにすることを目的に、全国の大学で、大会がある部活動に所属しているプレイヤーを対象とした調査を実施した。調査はGoogleフォームを用いた無記名アンケートであり、機縁法によるスノーボールサンプリングを用いて対象者を募った。アンケート調査は一対象者につき計3回(調査依頼時、1回目の回答から6カ月後、1回目の回答から12カ月後)実施する計画であり、現在2回目の調査を実施している。これに加えてインタビュー調査を行うことで、競技や時期による特徴に応じた支援ツールの開発につなげる計画である。 1回目の調査は1,392名から回答が得られた。そのうち、同一対象者からの重複回答、プレーヤー以外からの回答等を除く1,312名を対象に分析を進めている。回答者の内訳は、野球やサッカー等の屋外球技系競技に分類される者が最も多く、調査時点の競技シーズンは「試合期」にある者が半数弱であった。また、アディクションとして設定した項目のうち、問題が疑われると判定された者が最も多かったのはゲーム、次いでスマートフォンやSNS、アルコールであった。また、本調査によりアディクションに関する認知度が低いこと、自身に問題が生じた際に相談できる人はいないと回答したものが1割程度いることが示された。アスリートや、アスリートを取り巻く人のアディクションに関連した問題が注目されている昨今、本調査の推進および支援ツールを作成することの重要性が益々高まっていると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学生アスリートのアンケート調査を実施するための準備に時間を要したため、調査開始時期が当初計画していたよりも遅くなった。インタビューの対象者は計画に沿って募ることができており、実施する準備が整っている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も、学生アスリートへのアンケート調査を実施し、競技シーズンによるアディクションリスクを検討していく。また、ハイリスク者へのインタビュー調査を行い、学生アスリートのアディクションの特徴を明らかにする。これらの結果を基に、アディクション対策支援ツールを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケート調査の開始時期が遅くなったことに伴い、研究対象者への謝礼支払いが次年度に繰り越された。また、インタビュー調査も次年度に行うこととしたため、調査旅費が生じなかった。本年度未使用額は、次年度に繰り越しとなったアンケート調査およびインタビュー調査の謝礼や調査旅費、分析のための費用として使用する。
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