研究実績の概要 |
本研究は、軟骨損傷に対する骨髄穿刺濃縮細胞の投与の有効性を明らかにすることで将来的な臨床応用を目指した基礎的データが蓄積することを目的としている。上記を目的として令和4年度は、以下のことを行った。 ① ビーグル犬における骨髄穿刺濃縮細胞の採取の確立:実験は獨協医科大学実験動物センターで行った。生後6ヶ月のビーグル犬(体重約20kg)に麻酔導入し、骨髄穿刺針を用いて腸骨に穿刺した後に20mlシリンジを骨髄穿刺針に装着して吸引することで骨髄液を計20ml採取した。採取後、遠心分離(800g, 5分, 4℃)を行った。遠心分離後の単核細胞の層を吸引することで骨髄穿刺濃縮細胞を採取した。 ② 動物実験モデルの作成:実験は獨協医科大学実験動物センターで行った。生後6ヶ月のビーグル犬(体重約20kg)に麻酔導入し、膝関節を内側関節包切開にて大腿骨滑車部を展開した。展開後、大腿骨滑車部に骨軟骨欠損を2ヶ所作成した。欠損サイズは、滑車部の大きさから当初の予定であった5mmと7mmではなく、6mmの骨軟骨欠損とした。骨軟骨欠損は両膝に作成して、1膝は骨軟骨欠損のみ、1膝は骨軟骨欠損に作成した骨髄穿刺濃縮細胞を投与した。当初は骨髄穿刺濃縮細胞を投与した後にフィブリン糊で固定する予定であったが、上手く固定できなかったため、固定するマテリアルについて再考し低エンドトキシンのアルギン酸ゲルでの固定に変更することにした。
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