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2022 年度 実施状況報告書

技術改善と怪我防止のための力学的に無理のない投球・打撃動作の解明と指導法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K11636
研究機関山口大学

研究代表者

坂井 伸之  山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (00267402)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード野球 / 投球 / 打撃 / 力学
研究実績の概要

野球の投球動作と打撃動作について、①理論構築、②理論の検証実験、③指導法の考案と実証 の3段階で、フィードバックを繰り返しながら研究を進めた。
①の理論構築のうち、投球理論は前年度出版した著書で大枠ができていたが、踏み出し脚の運動について分析を進め理解を深めることができた。一方、打撃理論については今年度取り組み始め、大枠を組み立てることができた。例えば、従来の理論や指導では「軸脚は後ろ」と言われていたが、それは力学的に誤りで、「軸脚は前脚」でなければならないことを示した。
②と③については、高校野球・社会人野球・独立リーグプロ野球の数チームと連携した。具体的には、対面セミナー・実技指導4回、オンラインセミナー3回を実施したり、選手の動画の分析、指導を行ったりし、理論の妥当性を検証した。指導法として、投球・打撃のポイントをそれぞれ6つの項目にまとめた。各6つの項目とは万能ではないが、網羅的に多数の項目を並べても指導者が消化しきれないことを考慮し、必要最小限に厳選したものである。
この指導法により、連携した野球チームや個人の成績を向上させることが確認された。ある高校野球チームは、夏の県大会ベスト4になった。ある社会人野球チームの主力投手の球速が145km/hから150km/hにアップした。ある独立リーグプロ野球チームは、動作分析・助言後に8連勝した。
研究成果は、日本物理学会2022年秋季大会、同学会2023年春季大会、日本コーチング学会第34回大会で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初は、本研究で得られる理論と指導法が、指導を受けて練習してもなかなか上達しない初級者・中級者の技術向上の助けになることを想定していた。しかし、動作分析に基づく指導をしてみると、県大会優勝候補の高校野球チーム、社会人野球主力投手、独立リーグプロ野球チームの技術向上に役立てることができた。1年目からこのような成果が得られたことは、当初の計画以上の進展である。
日本物理学会からは物理教育の観点で評価され、同会2023年春季大会でチュートリアル講演を依頼されると共に、「大学の物理教育」の論文執筆を依頼された。

今後の研究の推進方策

投球・打撃動作の力学的メカニズムは解明され、それに基づく指導法も概ね構築された。しかし、まだ気付いていないメカニズムやより有効な指導法がある可能性がある。したがって、高校野球・社会人野球・独立リーグプロ野球の数チームと連携を継続し、理論の精密化と指導法の改善に引き続き取り組む。
また、論文や著書の形で指導法を発表したい。

次年度使用額が生じた理由

動作分析のための動画撮影を連携野球チームが自主的に行われたため(逆に動画分析を依頼される形で実施したため)、そのために想定していた謝金・実験用物品に余りが生じた。
次年度は、現地でのセミナー・技術指導による指導法の検証に重点をおくため、その経費に充てる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] バッティングにおける「軸脚」の誤解2023

    • 著者名/発表者名
      坂井伸之
    • 学会等名
      日本コーチング学会第32回学会大会
  • [学会発表] スポーツ物理入門2023

    • 著者名/発表者名
      坂井伸之
    • 学会等名
      日本物理学会2023年春季大会
    • 招待講演
  • [学会発表] バッティングに関する力学的誤解2023

    • 著者名/発表者名
      坂井伸之
    • 学会等名
      日本物理学会2023年春季大会
  • [学会発表] 野球・テニス等のスポーツにおける腕の内旋・伸展の力学2022

    • 著者名/発表者名
      安原拓哉、坂井伸之
    • 学会等名
      日本物理学会2022年秋季大会

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公開日: 2023-12-25  

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