研究課題/領域番号 |
22K12279
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
伏見 卓恭 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 講師 (80755702)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ハイパーグラフ / 埋め込み / 表現学習 |
研究実績の概要 |
当該研究課題の対象であるハイパーグラフは,共著関係などの複数人のコラボレーションを効果的に表現したデータ構造である.当該年度は,ハイパーグラフの効率的かつ効果的な埋込手法を確立し,前年度の国際会議に併設するワークショップで発表した内容を拡張した手法を開発した.そして,ジャーナル論文(Applied Network Science)として投稿し,採録された.当該論文では,多数の既存埋め込み手法と比較して,空間効率,分類精度,グラフ距離の保存度合い,実行時間の観点で優れていることを示した.さらに,コミュニティ抽出手法の代表例であるModularity最大化に基づく手法との関係性を理論的に示した. さらに,ノーマルグラフにおけるノード列(道路網におけるルートやSNSにおける情報拡散経路など)を埋め込む手法を提案した.この手法は,ノード列の始点と終点,中間地点を固定し,ランダムウォークによるデータ拡張(Data Augmentation)により類似のノード列を人工的に生成し,対照学習の枠組みで埋め込む手法である.通常の対照学習では,正例と負例を識別できるように埋め込みベクトルを学習するが,本提案手法は,同一,類似,独立,非類似のノード列の4パターンに識別するように学習することで,より精度良く埋め込むことを可能にしている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は,前年度に確立したハイパーグラフ埋め込み手法を拡張し,さらに多数の既存手法との性能評価により,定量的に提案手法が優れていることを示すことができた.研究成果を国際ジャーナル論文に投稿し,採録された.したがって,おおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は,ハイパーグラフのハイパーエッジに含まれる各ノードの役割および貢献度を加味した埋め込みとするべく,ハイパーエッジにノイズを入れることでデータ拡張(Data Augmentation)を施し,対照学習の枠組みでハイパーノードおよびハイパーエッジを埋め込む手法を確立する.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度に予定されている複数件のオンサイト国際会議への参加を見越して,今年度のオンサイト会議に対してお願いをしてオンライン参加させてもらったことにより,旅費に余裕ができたため,次年度使用額が生じた. 次年度使用額分は,翌年度分の請求額(旅費)と合わせて,国際会議や国内会議への出張旅費として使用する. 物品費は当初の予定通り,研究用消耗図書,文房具,PC周辺機器の購入に使用する. 人件費も当初の予定通り,研究協力者への謝金として使用する.
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