• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

学校図書館による授業支援を促す打ち合わせシートと教材検索システムの開発・評価

研究課題

研究課題/領域番号 22K12324
研究機関南山大学

研究代表者

浅石 卓真  南山大学, 人文学部, 准教授 (10735632)

研究分担者 宮田 玲  東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 講師 (70804300)
矢田 竣太郎  奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (60866226)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード学校図書館 / VR図書館 / 教材探索
研究実績の概要

本年度は、学校図書館による授業支援を促進するツールとして、教材となる図書資料を学校図書館の蔵書から効率的に検索できる教材探索システムBookReachの高度化を進めた。具体的には、従来のBookReachにおける検索結果の表示形式が「書誌情報の一覧」「書影の一覧」の2種類であったのに対して、さらに「背表紙の一覧」「VR空間における3D書架」を加えた4種類とした。これらの表示形式を実現するために、協力校である東京学芸大学附属世田谷中学校の学校図書館の書架をタブレット端末で撮影し、そこから一冊一冊の背表紙画像を切り出してデータベース化した。そして、ゲーム検索エンジンであるUnity上にバーチャルリアリティ(VR)空間としての図書館を構築し、その中に現実の書架を再現した3D書架を構築した。
これらの新たなインターフェースのうち、特に3D書架表示の有効性を確かめる検証実験を行った。検証実験では、学校図書館関係者9名に依頼して、3D書架を利用した擬似的な教材探索を行ってもらった。検証実験後に行った質問紙調査の結果からは、3D書架にはどこからでも図書館の本にアクセスできる点や、学校司書や児童生徒が一斉にブラウジングできる点が評価された。一方でVR空間内での移動には慣れが必要であることや、VR空間内での現在位置表示に関する課題も示唆された。今後はVR図書館内での視線追尾装置を使った実験を行い、その結果をもとに、単に現実の空間を再現するだけではなくVR空間ならではの仕掛け(頻繁に利用される図書のハイライト表示など)を実現する予定である。
その他にも今年度は、以前は社会と理科に限定されていたBookReachの対応科目を、小・中学校の全ての教科に拡大した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

研究開始当初の目的であった教材検索システムの開発と、教員や学校図書職員による評価実験は、1年目でほぼ完了した。そのため本年度は、開発したシステムをさらに高度化するための新たなインターフェースを開発し、評価実験では参加者全員から有用性を認める結果が得られた。また開始当初、教材検索システムは社会と理科のみに対応させる予定であったが、全教科への対応も実現できた。

今後の研究の推進方策

次年度は教材検索システムBookReachにおいて、出版年や対象学年による絞り込み機能を実装する。特に対象学年については、現在の「小学校」「中学・高校」「大学・一般」という3段階から、「小学校(低学年)」「小学校(中学年)」「小学校(高学年)」「中学校」「高校」「一般」の6段階で絞り込めるようにする。この機能を実現するために、ランダムに収集した100冊程度に対して学校司書に上記6段階のいずれかを付与してもらい、それらを正解データとして機械学習による分類器を構築する。
さらに、最終年度となる次年度はBookReachを多くの図書館に活用してもらい、「教材として使える図書」を事例として登録・公開してもらう。そのために、これまで協力関係にあった東京学芸大学附属小・中学校だけでなく、学校図書館に力を入れている公共図書館などにも広く呼びかけ、過去に学校支援で提供した教材をBookReachに登録してもらう。これにより、本研究の成果を広く社会に還元する。

次年度使用額が生じた理由

教材検索システムの評価実験を前倒しで実行したため、2023年度は協力者への謝金を支出しなかった。最終年度となる次年度は、当初は予定していなかった図書への難易度付与の作業を協力者に依頼する予定であり、そのための謝金に充当する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] VR学校図書館内の3D書架における教材探索の検証2023

    • 著者名/発表者名
      内田貴之, 門脇良太, 矢田竣太郎, 浅石卓真
    • 学会等名
      第71回日本図書館情報学会研究大会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi