現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モンゴル国内のトール川において首都ウランバートルの市街地を含み、上流から下流に調査地点を設けて、河岸、河床および河川中において調査・試料採取を実施した。河岸のプラスチック分布は上流から下流へMega, Macro, Meso, Microのいずれのサイズにおいても増加傾向が認められた。尚且つ、Form, Fiber, Film, Fragmentの各タイプも数量は増加傾向にあるものの、割合は変化する傾向が認められた。それらの分布とプラスチックタイプまたはサイズは支流と本流でも異なっており、支流では本流に合流するまでの距離が短いことと支流沿いの人口分布が密でないためにプラスチックが破砕されておらず大きなサイズ割合が高く且つFilmタイプが多く認められた。圧倒的に多く存在するプラスチックはFormタイプのMicroサイズであった。この結果は、当対象地の従来の調査結果と一致している。また、河川調査では流速と流下プラスチックをモニタリングしたため、河川フラックスと流下プラスチックのフラックスを算出できた。河川本流ではプラスチックフラックスも上流から下流へ増加する傾向が認められたものの、その組成は一様ではなく、採取地点の特徴を反映しているものと考えらえれた。流下プラスチックではMicroサイズが主体であり、それらはFilmとFormタイプで占められた。一方、現地採取した河床堆積物においては、どの地点においてもMicroサイズが主体であり、タイプも多様であったがある程度の規則性があると考えられた。それは、組成の類似性が採取地点において共通していることである。この組成変化は移動する過程でのプラスチック分別が生じているものとして解釈された。現地で採取した試料のスペクトル解析結果からはプラスチック材料のスペクトルから変化が確認され、表面劣化に由来することが推測された。
|