研究実績の概要 |
独居高齢者の生活上のヒューマンエラーや異常動作を検出するシステムの設計、開発、吟味考察を行った。ここでは、対象とするヒューマンエラーと異常動作を自宅内の通常生活と立体駐車場での運転状況に限定した。独居高齢者の活動認識にはネットワークカメラを使用するが、プライバシー保護のため、身体は黒で塗りつぶした。脱衣室、トイレ、寝室等では研究代表者らが開発した通信機能付きのマルチ型ニオイセンサ(計測自動制御学会論文集,vol.7,no.6,pp.1077-1083)や圧力センサを使用した。このニオイセンサはプロダクションシステム(人工知能用の推論ソフト)を用いて、4種類のセンサ(可燃性ガス、一酸化炭素ガス、温度、湿度)からの出力信号の特性曲線から、家庭内で発生する3つの災害(火災、ガス漏れ、一酸化炭素ガスの発生)を同定し、可燃性ガスセンサの出力信号の特性曲線から、独居高齢者の『起床と就寝』、『食事中や準備中』、『ドアの開閉』等を認知する。また、圧力センサを用いて独居高齢者の転倒や歩き方の異常等を検知する。更に、独居高齢者が写っている各ネットワークカメラからの動画を、時系列を基に一本の動画に作り変え、これに浴室、脱衣室、トイレ、寝室での滞在時間や起床・就寝時間等の状況を加えることにより、独居高齢者の動線や時系列上の動作を表すマスター動画を作成する。これを元にヒューマンエラーや異常動作を探すことになっていたが、外来者等で複数人居る場合には、各動画に写っている被験者間の一致性の確認において誤認識があり、矛盾が生じる場合があった。また、立体駐車場での高齢者の運転状況を調べ、高齢者にとって安全な駐車場について検討した。
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