研究課題/領域番号 |
22K13112
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
RIESER Lukas 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (10886550)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 形式語用論 / イントネーション / 形式言語学 |
研究実績の概要 |
2年度目に完了予定の課題「分析対象の拡大、現象の調査・整理」、「既存の形式枠組みの調査・検討」、そして2年度目に開始予定の課題「新枠組みの構築・応用、考察」につきましては、下の通りの研究活動を行いました。
本研究の中核的な目標の一つは、イントネーションパターンが表す意味の通言語的な普遍性を示し、それらを「前定と想定」の新たな枠組みの下で分析することです。この目標の達成に向けて、23年11月に大阪大学で行われた形式言語学の国際学会Logic and Engineering of Natural Language Semantics 20 (LENLS20)にて「Intonational meaning at the limits of grammar」という学術論文を発表し、24年にSCOPUS掲載のLecture Notes in Computer Science(Springer社)で公開予定です(掲載確定済み)。これにより、今までには記述されていない日本語と英語のイントネーションの共通点の記述、およびその現象への新構築の枠組みの適用を進められました。この研究活動ではさらに、証拠性(Evidentiality)にかかわる意味の新構築する枠組みへの盛り込みをこれからの課題として特定できました。
これからの多言語の対象を質問におけるイントネーションに絞ることを決め、他の言語への拡大の土台として、日本語の質問の文末イントネーションパターンの予備的な音声分析(f0測定、分析、記述)を行いました。その中間的な成果をまとめる学術論文「What’s in a tune? On final rises in English and Japanese」を24年3月にアダム・ミツキェヴィチ大学で行われた国際学会「Linguistics and Asian Languages」で発表しました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年度目に完了予定の課題「既存の形式枠組みの調査・検討」は、おおむね予定通り完了しました。特に、今まで検討の対象としてきた現象は、既存の枠組みでは十分に把握・分析できないことを確認し、新枠組みの構築の必要性およびその枠組みに必要は形式的な機能は十分整理できていると考えられます。
なお、同じく2年度目に完了予定の課題「分析対象の拡大、現象の調査・整理」につきましては、ベトナム語・中国語への拡大については予備的な検討・考察を行いました。ただし、上記の日本語の質問のイントネーションの研究を行った結果、それぞれの言語のイントネーションを有意義に比較できるためには、さらなる予備的な研究が必要だと判断し、「分析対象の拡大」は、3年度にも続ける必要があります。
その一方、2年度目開始予定の課題「新枠組みの構築・応用、考察」については、すでに学術論文で、「前定と想定」の新たに構築した枠組みを新たな現象に応用し、それにより新枠組みに必要な機能拡大を特定でき、予定どおり、一部は予定以上に進めています。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の目標達成のためにこれから最も重要な課題は、声調のある言語への研究対象の拡大である。
そのためには、すでに行った予備的な検討・考察および日本語の質問におけるイントネーションの測定・分析の予備研究をもとに、まずはベトナム語・中国語の分析を3年度目で集中的に行います。その結果は、すでに得た研究成果(新枠組みの構築、応用)の検証に繋がり、今までに構築してきた枠組みの再検討につながります。
質問のイントネーションの意味と証拠性(Evdentiality)に関連する意味の盛り込みのためには、分析の拡大またはその機能性の精度の向上が必要になる見込みだが、これについてまお、ベトナム語・中国語への拡大により検証します。
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次年度使用額が生じた理由 |
上記に説明した、多言語への対象の拡大の遅れによって、それに関連する費用も後で使用することになります。
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