• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

日本の連立政権における政権党の応答性と責任ー政策会議の参加者分析

研究課題

研究課題/領域番号 22K13330
研究機関岡山大学

研究代表者

朴 志善  岡山大学, 社会文化科学学域, 特任助教 (80845610)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード連立政権 / 自由民主党 / 公明党 / 政府与党 / 政策会議 / 応答性 / 責任 / 政官関係
研究実績の概要

今年度は、2003年から2022年まで(民主党政権期は除外)、自民党と公明党の政策会議のデータを電子化し、政策会議の開催に関するデータセット(日時・会議名・議題及び参加者)を作成した。また、予備分析として、議題及び参加者から、府・省・庁の名称を含む場合は「官僚」、「団体」を含む場合は「団体」、有識者を含む場合は「有識者」、都道府県名や「知事」を含む場合は「地方」に分類を行い、月別のデータとして整理した。
その結果、この期間中、両党とも多様な参加者が政策会議に参加し、違うグループの参加者が合同で参加するケースも少ないことが分かった。比較すると、自民党の参加者は官僚、有識者、団体、地方の順で、一方、公明党のは官僚、団体、有識者、地方の順で多かった。公明党の政策会議において、外部参加者が参加する会議の割合が自民党より2倍ほど高く(自民党は約30%で、公明党は約60%)、その中で官僚参加の割合が著しく高いことがわかった。
本研究は、自民党と公明党の政策会議の詳細、特にその参加者を明らかにしようとする目的であり、分析対象となるデータが揃い、予備的な分類を行った点で、その意義と重要性がある。特に、予備分類とはいえ、自民党と公明党の違いが明確になった点から、次のステップとして、同じ連立与党でありながら、違う政策行動を見せる理由を調査することができる。
ただし、議題や参加者の項目で特定の単語が含まれるだけで、参加者分類になるかについては限界があり、より顕密に分類できるよう、工夫を重ねる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初、2022年度は2003年から2021年までの自公の政策会議の活動データ(民主党政権期は除外)を収集し、データセットを作成する計画であった。現在、2003年から2022年までのデータセットが出来上がって、時期・担当組織・議題・参加者・団体の分類の方法を工夫している。その分類が想定より難しく、より正確な分類方法を探す必要があるという問題はあるものの、概ね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

次の2023年度は、本来の計画通り、データセット(時期・担当組織・議題・参加者・団体の種類)の分類から、両党の政策行動の特徴を明らかにし、自民党と公明党が連立を結びながらも違う政策行動を見せる原因を調べる。まず、与党の応答性・責任の追求行動に関する理論研究や、自民党と公明党に関する実証研究などを中心に先行研究を検討する。また、両党の政調会を担当する党職員や、研究者とのインタビュー調査も行う予定である。
一方、実際のデータを集め、予備分類を行った今の時点で、自公比較のための分類方法が想定より難しいことが問題として現れた。政策会議のデータが大量であり、ヒューマンコーディングは難しく、機械学習などを活用した分類も検討したが、まずは、キーワードを中心とする簡単な分類方法を工夫する。

次年度使用額が生じた理由

次年度も本年度に続いて、データセットの作成や分類作業を行いながら、学会への参加やインタビューなどを通じて、両党の政策会議の様子について研究を進める。そのために、人件費に加え、出張にかかる費用を計上する。また、自公連立政権に関する先行研究や、比較政治学における連立政権に関する先行研究のために、図書及び文献購入費も計上する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 開放型の大統領候補者選定がもたらした政治的影響―2000年代以降の韓国の主要政党の事例を中心に―2022

    • 著者名/発表者名
      禹隠喜・朴志善
    • 学会等名
      日本比較政治学会
  • [学会発表] 脱冷戦期漁業協定改定における日本の韓国安全保障化の過程2022

    • 著者名/発表者名
      朴志善
    • 学会等名
      東アジア日本研究者協議会
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi