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2023 年度 実施状況報告書

身体症状を伴ううつ病の難治化要因の特定と新しい介入方略の提案

研究課題

研究課題/領域番号 22K13838
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

荻島 大凱  奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 特任助教 (60909282)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードうつ病 / 内受容感覚 / マインドフルネス
研究実績の概要

令和5年度は,昨年度に進めた基礎的結果に基づき,うつ病傾向者の内受容感覚知覚を改善させるような臨床心理学的介入を行なった。具体的には,昨年度にはうつ病傾向を有する者に対して,ポジティブ/ネガティブ/アロウザル気分を誘導し,その際の内受容感覚知覚を心拍誘発電位によって測定した。その結果,うつ病傾向が高い者は,ポジティブ感情を経験している時のみ,内受容感覚への注意の精度が低下することが明らかになった。この知見を応用し,本年度の介入研究では,健常者を対象に,「今この瞬間にありのままの注意を向ける」技法であるマインドフルネスを応用した,2週間のストレスマネジメント法を行なった。2週間の介入はオンラインを通して行われ,毎日マインドフルネスに関するインストラクションと音源を配布し,その後効果指標を取得した。現在,目標とする80名の対象者のうち,その半数程度のリクルートは終了しており,順次介入を進めている段階である。介入では日毎に,感情制御,行動コーピング,うつ不安などの感情状態,内受容感覚,うつ症状など指標を取得している。解析においては,時系列分析を行うことで,時系列的に内受容感覚知覚がうつ病に与える因果的影響を検討する予定である。この介入の基礎的な結果を含む本計画の一連の研究結果は,2024度度に開催される日本心理学会の小講演にて発表する予定であり,すでに抄録を提出済みである。残りの対象者については,来年度も引き続きリクルートを行なっていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度実施した研究を本年度中に論文投稿する予定であったが,現在までに完了していない。しかしながら,研究遂行自体は,最終介入をすでに進めているため,概ね順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

令和6年度は,令和4年度の研究結果を論文としてまとめ投稿するとともに,令和5年度と本年度に行ううつ病傾向を有する者に対する介入実験を論文投稿する予定である。

次年度使用額が生じた理由

オープンアクセスの海外論文投稿を行う予定であったが,その投稿がまだ完了していない。また本年度中に終了しなかった介入実験がいくつかあるため,その謝金の支払いが来年度に回されたため。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Validity and reliability of the Japanese version of the sustainability consciousness questionnaire2023

    • 著者名/発表者名
      Ogishima Hiroyoshi、Ito Ayahito、Kajimura Shogo、Himichi Toshiyuki
    • 雑誌名

      Frontiers in Psychology

      巻: 14 ページ: 1130550

    • DOI

      10.3389/fpsyg.2023.1130550

  • [学会発表] Identification and classification stress response style based on Machine learning2023

    • 著者名/発表者名
      荻島 大凱・田中 沙織・嶋田 洋徳
    • 学会等名
      第33回日本神経回路学会全国大会
  • [学会発表] 日本語版サステナビリティ意識調査票の作成および信頼性と妥当性の検討2023

    • 著者名/発表者名
      荻島大凱
    • 学会等名
      日本心理学会第87回大会

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公開日: 2024-12-25  

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