研究課題/領域番号 |
22K14017
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
多羅間 充輔 九州大学, 理学研究院, 助教 (90756834)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アクティブマター / 細胞骨格 / 細胞運動 / 自己組織化 / 協同現象 / フォースフリー |
研究成果の概要 |
アクティブマターはその運動能の結果、さまざまなパターンを自己組織化する。その具体例は多くの生命現象に見出される。特に、自己組織化構造の機能発現は生命現象において重要な役割を担う。ミクロな生体分子である細胞骨格は細胞スケールの高次構造を自己組織化し力学機能を発現する。 細胞は自身の細胞骨格構造の力学機能を制御することでマクロな運動を実現する。さらに、細胞間で運動や細胞骨格構造が協調し、より大きなスケールの生体組織の発生が正確に行われるなど、複雑な生命機能が発現する。 本研究では、アクティブマター物理学の視点から、生命現象の背後に潜む構造形成メカニズムを理論的に研究した。
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自由記述の分野 |
非線形非平衡物理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では主に、細胞内における化学反応と力学とがどのように相互作用することで複雑な細胞運動が実現するのかを理論的に研究した。生化学反応と力学の結合は細胞運動において重要であるにも関わらずそれぞれがすでに十分複雑ゆえに未解明な点の多い領域であり、理論研究が進むことで実験研究が進むきっかけになるだろう。また、細胞骨格分子が他の分子と相互作用することで高次構造が自己組織化されるメカニズムを明らかにした。実験では分子的な操作によるミクロな制御とその結果実現するマクロな動態を観測することは可能であるが、その間の繋がりを突き詰めることは未だ困難であり、理論研究がその強力な助けになることを示すことができた。
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