パワー半導体の進歩により受動素子を駆動する電源の高周波化が進んでいる.それに伴い,受動素子の小型化・高周波化が課題になっている.高周波化する受動素子の設計・開発においては,渦電流損失や非線形磁気特性を考慮する必要があり,また,さらに高い周波数を考えると,寄生容量の影響を考慮する必要がある.電磁界解析においては,渦電流・非線形磁気特性・寄生容量のすべてを考慮した解析手法についてはこれまで十分に議論されておらず,時間領域解析の手法は未完成である.そのため,本研究は電磁界解析の基礎的な学術研究の側面を持ちつつ,工業的にも重要な意義を持つ研究であるといえる.
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