研究課題/領域番号 |
22K14427
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
神山 晋太郎 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 研究開発員 (40916516)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 雷 / CFRP / 高電圧 / ジュール発熱 / エッジグロー / 有限要素法(FEM) |
研究実績の概要 |
本研究では複数の物理・化学現象が短時間に重畳するため詳細なメカニズムが明らかとなっていないCFRP複合材料の雷撃損傷に対して、特に大きな影響を与えていると考えられるジュール発熱挙動を明らかとすることを目的とする。本年度は、航空機の一次構造部材に使用されているプリプレグを積層した一方向、直交積層、擬似等方積層エポキシCFRP供試体に対して、模擬雷電流を材料に直接印加するコンダクション試験を実施した。また、雷電流印加中の現象を、高速度カメラを用いて観察した。さらに、供試体に雷電流が印加された際の電流・電圧波形をカレントトランスや高電圧プローブを用いて、また材料表面の発熱応答をIRカメラを用いて実験的に計測した。加えて有限要素法を用いたマルチフィジックス解析を行うことで、実験的に取得した電流-電圧応答、および発熱応答の予測を試みた。これらの結果、一方向積層および直交積層の場合は、電流-電圧応答、および発熱応答を数値解析で概ね予測することができることが分かった。その一方で、擬似等方積層の場合は、供試体の端面で発光するエッジグローという現象が観察された。エッジグローの発生メカニズム解明のために、空気中だけでなくシリコン油中でも試験を行った。得られた実験結果およびマルチフィジックス解析結果から、エッジグローの発生は、ジュール発熱による熱的な要因に起因するとは考えにくく、各層間の電位差が大きくなることによる電気的な要因が支配的であることが推定された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CFRPの雷電流印加に伴う電流-電圧応答や材料表面の発熱応答を実験的に計測するための手法を確立することができた。また、いままで構築してきた一方向CFRP積層板の発熱応答予測モデルを様々な積層方向の積層板に対して拡張することができている。今後の発展についても大きなリスクは無いと考えている。以上より、当初計画通りに進捗しているものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
雷撃によるCFRPのジュール発熱予測モデルの高度化のため、構築してきたCFRP積層板の発熱応答予測モデルを拡張する。具体的には、ファスナ孔を有するCFRP供試体を対象として、実験的に得られた雷電流印加に伴う電流-電圧応答および発熱応答を予測するマルチフィジックス解析モデルを構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定物品の納期が間に合わなかったため、次年度に購入予定とする。
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