本研究では、機能性材料の合成過程を可視化するために、超高温加熱ステージを用いた透過型高エネルギーX線構造解析システムを開発した。具体的には、現実の合成過程に相当するガスフロー下での1000 ℃以上の高温に耐える計測用の試料セルを開発し、標準試料を用いて本セルを用いた際のステージ内部の温度精度を評価した。また、結晶粒成長が進行する高温下で高い統計精度のデータ取得を行うために、加熱ステージを揺動・並進させた条件での粉末回折測定を行うシステムを実装した。これらの開発内容をもとに、実材料を用いた合成過程観測を実施し、本システムが高温合成過程や材料相変化過程のその場観測に有用であることを実証した。
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