サイクル熱処理によって作製した室温巨大弾性歪を示すCu-Al-Mn単結晶合金試料に対して、J-PARCでのその場中性子回折実験結果を解析したところ、母相の体心立方構造を保ったまま可逆的な格子歪みが生じる真の弾性変形であることが判明した。さらに、室温から4.2Kの極低温までの機械試験を行った結果、一定の応力以下では低ヤング率と比較的大きな弾性歪みを示すことが分かった。高応力下ではマルテンサイト変態が誘起されたが、除荷によって逆変態が起こり、極低温でも擬弾性による大きな可逆歪みが生じることが明らかとなった。以上の結果から、本合金は極低温シール材として有望であると考えられる。
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