研究課題
若手研究
細胞競合とは、異なる性質を持った同種の細胞が生存を争う現象である。近年、発がん初期段階においてがん変異細胞が細胞競合により正常組織から排除されることが示され、新たな内在性がん抑制機構の一つとして注目されている。本研究では、正常マウスの肝臓に簡便かつ迅速に細胞競合を誘導可能な新たなin vivo細胞競合解析系を構築した。さらに、培養細胞を用いた解析で発見した細胞競合制御因子FGF21が、生体内でも細胞競合を誘導することを見出した。
細胞生物学
本研究で構築した簡便かつ迅速なin vivo細胞競合解析系は、生体内の細胞競合を活性化する創薬開発を目的としたin vivo創薬スクリーニングのための新規プラットフォームになる可能性がある。また、FGF21による細胞競合を活性化することで競合的細胞間相互作用によるがん変異細胞の排除を促進する新規がん治療戦略を提示した。