ニューロンの形態は高い局性を示し、このユニークな形態の形成・維持には細胞膜を構成する多種多様な脂質のうち、特に糖脂質の組成割合の制御が重要だと考えられる。これまでに糖脂質合成経路が軸索発達に必要であることが明らかになっているが、糖脂質をリソソームでセラミドへと分解し小胞体へとリサイクルするサルベージ経路の重要性については分かっていない。本研究では、小胞体-リソソーム接触場に局在するPDZD8がサルベージ経路の制御に寄与するか、また軸索発達制御に必要か検討したところ、大脳皮質交連ニューロンにおいてPDZD8が軸索分岐形成に必要であることを見出し、これは糖脂質代謝経路を介さない可能性を見出した。
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