研究課題
若手研究
動的な環境下で、繰り返し選択した行動の価値の減衰を感知し、より良い状態を求めて探索的に行動を切り替えることは、変化を特徴とする現代社会において重要な意思決定機能である。本研究では、ラットおよびマカクザルを対象にして、価値の減衰に基づいた行動切り替えに関わる脳の神経解明を目指し、光遺伝学的手法と電気生理学的手法を組み合わせた実験を行った。その結果、内側前頭前皮質から大脳基底核・線条体への神経路がこうした行動切り替えに関わる重要なシグナルを伝達していることが明らかになった。
神経科学
本研究では、損失に基づいた行動切り替えに関わるシグナルがどのように伝達されているのかを、光遺伝学技術と電気生理学的手法を応用することで、神経路を厳密に特定した上で明らかにした。こうした成果は、経済的、社会的、精神的な支障がきたされるギャンブル依存や固執行動などの異常な意思決定機能の理解や、その治療法の提案につながることが考えられる。