養子T細胞療法におけるT細胞の品質管理は極めて重要であり、細胞老化を示すT細胞は生体移入前に選択的に除去することが望まれる。近年、老化細胞の代謝は正常細胞と異なることが報告されていることから、本研究では老化T細胞の特性を標的とした除去を目標とした。しかし検討の結果、老化T細胞を排除するための標的因子同定は叶わなかったが、老化T細胞が老化個体において抗腫瘍効果を発揮し、腫瘍排除に機能することを見出した。これまで老化T細胞は抗腫瘍効果を減弱させるものとして考えられていたが、本研究過程において必ずしもそうでないことを明らかにすることができた。
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