小児期潰瘍性大腸炎(UC)は、特異的な診断法が存在しないという医療上の問題があり、疾患特異的バイオマーカーの開発が課題であった。我々が多施設より収集した小児UC患者の血清中抗インテグリンαvβ6抗体の(以下抗V6抗体)発現を解析したところ、同抗体は高い感度(94.7%)・特異度(81.3%)で検出されることが明らかとなった。一方で、小児のクローン病(CD)患者の33%で抗V6抗体が陽性であった。抗V6抗体陽性CDはUC様の大腸病変を有するなど、小児CDの臨床像が抗V6抗体陽性と陰性で異なることが示された。
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