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2023 年度 実施状況報告書

出生後15分以内に行う低酸素性虚血性脳症の客観的診断法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22K15922
研究機関香川大学

研究代表者

森本 絢  香川大学, 医学部附属病院, 医員 (80813881)

研究期間 (年度) 2023-01-20 – 2027-03-31
キーワード脳血液量 / 低酸素性虚血性脳症 / 新生児蘇生
研究実績の概要

本研究の目的は1)新生仔豚仮死モデルにおいて、HI負荷後15分間のCBV変化と予後の関係を、神経学的及び病理組織学的観点より明らかにすること、2) 臨床において、出生直後から蘇生を要さない及び要するヒト新生児の出生直後からのCBV変化と、短期的及び長期的予後の関係を調べることである。新生仔豚を用いた仮死モデルは低酸素負荷後15分間とそれ以降に断続的に脳血液量や全身循環モニタリングを行い、負荷後5日目まで飼育の後、灌流固定し、病理組織学的評価を行っている。
臨床において、出生前後15分間の脳循環酸素代謝を評価するため、分娩室にて出生後超早期からの脳血液量評価を行っている。特に、経腟分娩において児頭が出てきた時点から近赤外光時間分解測定方法(TRS)プローベを装着して臍帯結紮や第一啼泣による脳血液量(CBV)と脳内ヘモグロビン酸素飽和度(ScO2)を経時的に測定して、測定方法の安定性の確保と、データ解析を順次行っている。特に症例ごとにTRS測定開始時刻、臍帯結紮時刻、出生時刻、第一啼泣などイベント順序が異なるため、どの因子が最も脳循環に影響するかを検討している。また、低酸素性虚血性脳症(HIE)症例については、NICU入院後より、低体温療法の開始前後や治療中にTRS測定を断続的に行い、HIE症例としてのデータ蓄積を行っている。HIE症例では血圧や心拍数、呼吸数などとの生体モニタリングも連続的に測定できるため体循環と脳循環との関係も評価できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2024年1月より研究を開始しており、月に3例程度新生児症例を測定できており、概ね順調にデータ取得できている。HIE症例は限られているが、すでに1症例データ取得できている。月1例程度のペースで新生仔豚を用いた動物実験においても低酸素負荷前後のTRS測定を行い、生体モニタリングと病理組織学的評価を行っている。

今後の研究の推進方策

分娩室での蘇生を要する新生児症例を含めて、データ蓄積を行っていく。その中で、HIEによる低体温療法施行例と、治療適応外ではあったが、出生時に仮死を認めた症例のデータ測定を行って解析を進める。また、出生時の第一啼泣や臍帯結紮がどの程度脳循環に変化を与えるのか症例毎に分娩時の状況を加味しながら比較評価を行い、臍帯結紮の適切なタイミングについて検討する。

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公開日: 2024-12-25  

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