髄芽腫においては全脳脊髄照射(CSI)量の低減が喫緊の課題であるが、有望な予後分子マーカーは抽出されていない。今回我々は、標準治療よりも少ない照射量のCSIにて治療を受けた髄芽腫症例に対して分子遺伝学的解析を行い、予後因子の抽出を試みた。解析対象は合計38例の髄芽腫症例で、CSI線量は全例24.0Gy以下であった。Group 3/4の中で予後不良とされるサブタイプII、III、Vに分類された症例は有意に予後不良であった。本結果から、Group 3/4髄芽腫におけるサブタイプ分類はCSIを低減した症例においても予後因子である可能性が示され、本分類を用いたより適切な層別化の実施が期待される。
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