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2022 年度 実施状況報告書

食道癌における転写因子Forkhead box F2の発現調節機構と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 22K15975
研究機関大阪公立大学

研究代表者

東森 啓  大阪公立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (10807366)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードFOXF2 / 食道癌
研究実績の概要

食道癌細胞株(TE1,TE4,TE5,TE6,TE8,TE9,TE10,TE11,TE14,TE15)と及び食道正常細胞株(Het-1A)とヒト正常食道生検検体を用いて、癌部と非癌部でのFOXF2発現をreal time PCR法で検討した。ヒト食道検体やHet-1Aに比べてTE6,8,10,15などの食道癌細胞株でFOXF2発現が低下していることを確認した。
また、食道癌細胞株と食道正常細胞株およびヒト食道検体でのメチル化の有無をバイサルファイトシーケンス解析で確認した。各検体から抽出したDNAをバイサルファイト処理後、プロモーター領域のGCサイトのメチル化の程度をシークエンス解析し比較した。ヒト食道正常検体ではプロモーター領域のメチル化は認めなかったが、食道癌細胞株では高頻度にメチル化が起こっていることを確認した。しかしFOXF2発現とメチル化の程度の相関は低く、メチル化以外のエピジェネテッィクな制御機構が関与している可能性が示唆された。
また表在食道癌内視鏡的粘膜下層剥離術後のホルマリン検体を用いて、レーザーマイクロダイセクション法により、癌近傍正常組織と癌組織でのFOXF2発現を検討した。抽出条件の検討により高品質のRNA抽出が可能であったが、癌近傍正常部と癌部での明らかなFOXF2発現の差は認めなかった。今後は、内視鏡的切除病変だけでなく、外科手術標本での検討も行っていく予定である。
また、FOXF2蛋白発現についても免疫染色法で検討を行い、非癌部に比べて癌部でFOXF2発現が低下していることをDAB染色法により確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究実績概要に記載したように、食道癌においてはFOXF2はメチル以外のエピジェネテッィクな機構により発現が制御されている可能性が示唆されたため、これら機序解明に時間を要しており、研究全体の進行計画に遅れが生じている。これらの理由から本研究の進捗状況を「やや遅れている」と判断した。

今後の研究の推進方策

エピジェネテッィクな制御機構としてメチル化の他、ヒストン修飾やmiRNAなどが存在する。それぞれの関与の有無やその寄与度を、食道癌細胞株を用いて評価する予定である。
また食道癌に対するFOXF2の機能解析を行う予定である。食道癌細胞株にFOXF2を過剰発現またはノックダウン処理を行うことで、細胞増殖能、浸潤能、アポトーシスあるいは増殖停止反応における本転写因子の役割を検討する。さらには、食道癌においてFOXF2がβカテニン集積や上皮間葉移行に関与するか否かを検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究の進捗状況の遅れにより、予定していた実験が遅れてしまったため。
翌年度はFOXF2のメチル化以外のエピジェネテッィクな制御機構の検討や、食道癌におけるFOXF2の機能解析の検討を行っていく。

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公開日: 2023-12-25  

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