多発胃癌の発生予測因子として背景胃粘膜のマイクロRNA発現異常に注目し、そのバイオマーカーとしての有用性を検証した。早期胃癌内視鏡治療後に異時性多発癌を複数発症した多発群の胃粘膜からの生検検体と、初発後長期に発癌しなかった単発群の胃粘膜からの生検検体で発現に差を認めたマイクロRNAはmiR-223-3pであった。miR-223-3pは多発群で発現が低い傾向であった。一方で、背景胃粘膜の萎縮の程度、PPIの内服、ヘリコバクター・ピロリの感染状況など多様な交絡因子が存在するため、現在統計学的な処理を進めており、miR-223-3pが異時性多発癌の発生予測因子となるかをさらに検証していく予定である。
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