研究課題
心臓サルコイドーシスは、致死性不整脈や左室機能障害により重症心不全をきたす予後不良な疾患である。免疫抑制療法により病態の進行抑制が期待できるが、感度の高い疾患特異的な診断指標が存在しないため、従来の画像指標で診断困難な場合の治療介入の遅れが問題となっている。本研究は、心臓MRIの新規指標やmicroRNAなどのバイオマーカー解析を用いて、より疾患特異的な診断指標を確立することを目的とする研究である。上記の目的を解明するために、R4年度には心臓サルコイドーシスの病型と心臓MRI、PETの所見の間の関連を明らかとする研究を行い、予後との関連を明らかにした。R5年度はその研究実績を基に、心臓サルコイドーシス症例の臨床症状である心室性不整脈や房室ブロックなどのイベントと、心臓MRIの遅延造影の分布、右心機能などの指標との関連についても詳細な検討を行った。検討の結果、心臓サルコイドーシスにおける心室性不整脈の発生と遅延造影の分布には特定の関連がある事を明らかにした。また、伝導障害と遅延造影の分布についても同様に関連がある事を明らかにして、これらについて学会発表並びに論文投稿を行った。心臓サルコイドーシス診断に有用なバイオマーカーの確立のための解析も予定していたが、症例数が目標に満たず、年度中の解析を行う事が出来なかった。そのため、引き続き症例の集積を継続し、これまでの画像解析などから得られた成果に加えて、今後の解析を行う予定である。
すべて 2024
すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)