間葉系幹細胞:Mesenchymal Stem Cells (MSC) の移植療法は、腎線維化の進行抑制に有効であることが報告されている。骨髄由来MSCと比較して脂肪由来MSCは樹立が容易であることから臨床応用が期待されているが、血液凝固作用が強く、血栓症のリスクが懸念されている。本研究では、抗凝固因子の一つであるThrombomodulinを過剰発現させた脂肪由来MSCを作製し、右腎摘出+腎虚血再灌流モデルのラットに左腎動脈より投与したところ、MSCの血栓形成による死亡を劇的に減少させることができた。また尾静脈よりこのMSCを大量に投与したところ、肺血栓塞栓症による死亡が著明に減少した。
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