黒色真菌症は稀であるが致死的であり世界中で問題となっている。黒色真菌症は菌種により治療法が異なり迅速同定が重要であるが、専門性が高く時間を要する点が問題であった。本研究は、MALDI-TOF MSを用いて黒色真菌症の中でも頻度の高いExophiala属を対象としての迅速同定を確立するものである。現在販売されているライブラリに、基準となる菌株を登録しin-houseライブラリを作成した。検査の前処理法として、斜面培地で造成したコロニーを直接利用した。 この前処理法により、MALDI-TOF MSのライブラリの充実と前処理法の工夫により、Exophiala属では同定が可能であると示唆された。
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