本研究では、ヒト末梢血・骨髄サンプルを用いて、遺伝子発現および細胞表面蛋白質発現に加えて、リン酸化蛋白質を含む細胞内蛋白質を単一細胞レベルで同時解析する新規シングルセル解析手法を開発した。この手法を初発急性骨髄性白血病患者のサンプルに適用し、健常人の正常骨髄サンプルと比較することで、正常骨髄細胞と比較して腫瘍の骨髄細胞やその周囲の免疫細胞において発現が上昇している細胞内蛋白質を同定した。今後は、急性骨髄性白血病マウスモデルを用いて、細胞内蛋白質の発現変化とそれに伴う細胞機能や腫瘍微小環境の変化のメカニズムを明らかにしていく予定である。
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