急性発症1型糖尿病102例の残存インスリン分泌能の規定因子を、重回帰分析にて検討した結果、臨床因子では罹病期間、遺伝因子ではclassⅡ HLA遺伝子型DRB1*04:05 -DQB1*04:01/DRB1*09:01-DQB1*03:03(DR4/DR9)保有がそれぞれ独立した規定因子として抽出され、DR4/DR9遺伝子型の保有者では早期にインスリン分泌能が低下することを示唆する結果であった。また、欧米での1型・2型糖尿病共通の疾患感受性遺伝子として関連が報告されているGLIS3遺伝子多型について本邦における1型糖尿病と2型糖尿病との関連解析をおこなったが、いずれも有意な関連は得られなかった。
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