本研究では、破骨細胞に含まれる細胞内小器官リソソームの機能を研究しました。破骨細胞から分泌される酸により、骨の硬さの源であるミネラル分がまず分解され、続いて酵素カテプシンにより、骨の土台であるコラーゲンが分解されて、骨が壊されることが従来知られていました。これらの機構は、骨を新陳代謝し健康を保つために本来必要ですが、骨粗鬆症を進行させ病気の原因にもなりえます。本研究では酸やカテプシンでなく、リソソーム膜に存在する細胞内シグナル蛋白の役割を調べました。このシグナル経路は近年発見されたものですが、これを標的にすれば新しい骨粗鬆症治療薬を開発できる可能性を本研究により突き止めました。
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