研究課題/領域番号 |
22K16621
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
辻口 貴清 弘前大学, 災害・被ばく医療教育センター, 助教 (90737454)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 被ばく医療 / 放射線事故 / 災害医療 |
研究実績の概要 |
放射線事故時に生じる放射能汚染傷病者(放射性物質が付着している傷病者)に対応する救急・災害医学分野の医師・看護師や診療放射線技師などの関係者(以下、Emergency Medical Responders:EMR)は、傷病者から放出される放射線に晒されることになり、少なからず被ばくしてしまう。本研究では、放射線実測実験や物理シミュレーション技術を駆使して放射能汚染傷病者に対応するEMRの被ばく線量予測アプリケーションを開発し、救急・災害医学分野における放射線安全管理の教育・体制整備に寄与するデータを提供する。 令和5年度の研究において、昨年度に開発したアプリケーションを申請者らが企画する①災害医療研修(具体的には、令和5年度弘前大学履修証明プログラム災害支援医療従事者養成講座)、②被ばく医療研修(具体的には、原子力災害時医療中核人材研修)にて公開し、放射線安全管理教育の一環として受講生の医師・看護師・診療放射線技師・その他医療職種・事務職に対してデータ提供に努めた。受講生への教育効果は次年度以降も通して評価していくが、放射線に対する過度な不安軽減に資する基礎データが収集され始めており、本研究を通した狙いが達成されつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では3年目に着手予定であった医学教育に開発したアプリを使用した放射線防護教育を取り入れていることが2年目で実現した。
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今後の研究の推進方策 |
医療従事者に対して適切な放射線防護の情報提供をすることで、風評被害や放射線不安を軽減することに資すると考えられ、3年目以降はこれらの教育効果を検討することに費やす。
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次年度使用額が生じた理由 |
アプリUI作成用ソフトウェアのライセンス支払い料について執行を見込んで残額が生じた。研究全体の進捗について大きな支障はない。
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