老化細胞除去薬ABT-263による変形性膝関節症(OA)患者由来滑膜間葉系幹細胞(MSCs)の高品質化を試みた。ABT-263処理により老化細胞数は減少し、コロニー形成能や軟骨分化能が向上した。しかし、一時的な増殖能の低下が見られ、より低ストレスな方法として、細胞サイズと自家蛍光に基づく分取による高品質化について検討した。結果としては、小サイズ、低自家蛍光の細胞を選択的に分取することで、コロニー形成能や軟骨分化能を大きく向上させることが可能であり、drug-freeでの高品質化に成功した。現在、本法により高品質化した滑膜MSCの機能およびOA治療効果について詳細な検討を実施中である。
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