高齢化の進行とともに骨粗鬆症の患者数が増加している。しかし骨粗鬆症治療薬の多くは骨吸収抑制薬であり、他方、骨形成促進薬は選択肢が少なく、使用頻度も限定的である。 そこで申請者は骨形成に注目した。さらに代謝の細胞記憶としてエピゲノムの関与を考え、シングルセル解析からあるヒストン脱メチル化酵素を見出した。本研究ではそのエピゲノム酵素の遺伝子改変マウスを用いて、同酵素が骨形成をどのように制御するか、その一端を明らかにした。 更なる詳細なメカニズムの解明により、骨形成を標的とした治療の選択肢が拡充し、今後の臨床応用に向けた基盤が構築されることが期待される。
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