研究課題
若手研究
本研究は、骨芽細胞が分泌する基質小胞の骨・軟骨再生過程、骨代謝調節における作用を明らかにすることを目的に行われた。本研究結果により、骨芽細胞由来の基質小胞の局所投与により骨・軟骨形成の活性化を介して骨修復・再生を促進すること、および全身投与によりエストロゲン欠乏性の骨脆弱化を抑制する可能性が示された。これらの成果は生体内における基質小胞の新たな生理的な役割の存在を示唆するとともに、基質小胞を利用した新規の骨修復・再生治療法および骨代謝異常治療薬の創出において重要な知見を供するものと考える。
骨代謝学
超高齢化社会の進行を背景に骨代謝性疾患や骨再生能の低下を起因とした運動機能障害の改善が健康寿命延伸のための課題となっている。本研究により初めて明らかとなった基質小胞の骨修復・再生作用や骨脆弱化を抑制する作用は、これらの問題を解決するための糸口になる可能性がある。今後のさらなる研究により、基質小胞が有する骨再生メカニズムを明らかにすることで、同メカニズムを利用した新規骨再生治療法および骨粗鬆症薬の開発による健康長寿な社会の実現に貢献できると考える。