研究課題
これまでにマウスアキレス腱切離モデルを用いて、骨髄間葉系幹細胞(MSC)由来細胞外小胞(MSC-エクソソーム)がアキレス腱修復過程における異所性軟骨化生などを抑制し、その修復を促進することを明らかにした。そして、培養MSCの状態(継代数の違いによる細胞老化の程度)によってMSC-エクソソームの治療効果が異なり、それはMSC-エクソソーム表面に発現している糖鎖発現パターンの違いで評価できる可能性を示唆した。さらに、Screlaxis (Scx) 陽性細胞を標識できるScx CreERTdtTomato マウスを用いてアキレス腱切離モデルを作製し、損傷前もしくは損傷後に標識した腱修復過程におけるScx陽性細胞を観察した。その結果、損傷前に標識した陽性細胞は、軟骨化部位のSOX9陽性細胞の中に約30%しか認めらなかったことから、修復腱で頻発する軟骨化生は、正常アキレス腱に内在していたScx陽性細胞以外の腱幹・前駆細胞などが関与していることが明らかとなった。そこで、Tppp3陽性細胞を標識できかつジフテリア毒素投与により標識細胞を除去できるTppp3CreERTDTR-dtTomato マウスを作製した。今後さらに、腱幹・前駆細胞のマーカーであるTppp3CreERTDTR-dtTomato マウスも用いて、MSC-エクソソームによる腱修復促進機構を明らかにしていく。
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