研究課題
若手研究
ATP7B高発現のプラチナ抵抗性卵巣がん細胞株において、ATP7Bの発現をノックダウンすることで細胞内のプラチナ蓄積量が増加しプラチナ抵抗性が改善することが確認された。また臨床検体においても、ATP7Bの発現を認めた症例は有意に予後不良であった。in vivoモデルにおいても、ATP7Bをノックダウンした細胞株を皮下移植した群ではPBS投与群に比べてCisplatin投与群において著明な抗腫瘍効果を認め、プラチナ耐性卵巣癌においてATP7Bが治療ターゲットになりうると考えられた。
婦人科腫瘍
卵巣がんは、予後の悪い疾患の一つとして知られ、手術療法と化学療法による治療法が確立されているが、再発率も高いため治療に難渋する。特に初回治療後半年以内に再発したプラチナ製剤抵抗性の再発症例は予後が非常に悪く、その再発例を対象とした新しい治療法が待たれる。本研究はプラチナ抵抗性の克服が急務であるプラチナ抵抗性卵巣がんにおいてATP7Bが治療ターゲットとなりうることを示した。