研究課題/領域番号 |
22K16864
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
池ノ上 学 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 専任講師 (40573259)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 胎児肝血流量 / 胎児発育不全 / 新生児予後 / 胎児脂肪量 / アディポカイン |
研究成果の概要 |
本研究では、新たな胎児発育不全(FGR)の予後予測因子の解明を目指し、単胎妊婦71例を対象として前方視的検討を行った。超音波断層法を用いて妊娠30週に胎児肝血流量を計測し、胎児脂肪量や脂質代謝と関連しうる母体血清マーカー(アディポカイン、IGF-1/2、25OHビタミンD)、さらに新生児予後との関連について検討を行った。本研究の結果、胎児肝血流量は妊娠後期の胎児脂肪量と相関し、またFGR児で有意に低下することが明らかとなった。一方で、胎児肝血流量と母体血清マーカーや新生児予後との関連は認めなかった。今後、さらなるFGR症例の集積を行い、新生児予後との関連について検討をすすめていく予定である。
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自由記述の分野 |
周産期医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
FGRは様々な周産期合併症のリスク因子である。また、胎児脂肪量は新たな胎児発育の指標として近年注目されている。本研究により、胎児肝血流量は妊娠後期の胎児脂肪量と正の相関を示し、また肝血流量はFGR児で有意に低下することが見出された。一方で、胎児肝血流量と母体血清マーカーや新生児予後との関連は認めなかった。今後、さらなるFGR症例の集積を行い、胎児肝血流量と新生児予後との関連が明らかになれば、胎児心拍モニタリングや超音波ドプラ法に加えて胎児肝血流量が新たな周産期予後予測因子となる可能性があり、FGR児の周産期予後の改善や様々な新生児合併症の病態の解明につながる可能性がある。
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