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2022 年度 実施状況報告書

ボロン酸とヒアルロン酸の動的結合を利用した新規眼内DDSの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K16939
研究機関筑波大学

研究代表者

村上 智哉  筑波大学, 附属病院, 病院講師 (30896311)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード抗VEGF薬 / Drug Delivery System
研究実績の概要

抗血管内皮増殖因子(VEGF)治療は加齢黄斑変性をはじめとした網膜硝子体疾患の予後を劇的に改善した.その一方で,約2ヶ月おきの頻回の治療が必要であり,さらに薬価も高額であることから,患者,医療者,医療経済への負担が極めて大きな治療である.薬剤の硝子体腔内の半減期が数日と極めて短いのがその原因であり,申請者等は,ポリエチレングリコール(PEG)を用いて抗VEGF薬の眼内の滞留性を向上させることを目的に研究をおこなっている.
令和4年度は以下の二つの実験を主に行なった.
1. PEG gelから放出された抗VEGF薬(Bevacizumab)の薬理作用の確認:BevacizumabにPEGが付着することで薬理作用が低下する可能性が考えられた.PEG gelからBevacizumabを放出させるとBevacizumabにPEGが結合することが過去の実験で明らかとなっていたため,PEG gelから徐放されたBevacizumabの薬理作用をVEGF Bioassay kitを用いて確認したところ,コントロールのStandard Bevacizumabと同等の作用を示し,PEGの付着により薬理作用が低下しないことを示した.この実験結果の一部を論文化した(Murakami T, et al. Analysis of the sustained release ability of bevacizumab-loaded tetra-PEG gel. Exp Eye Res. 2022 Oct;223:109206.).
2. BevacizumabへのPEG-FPBAの修飾:PEG-FPBAをBevacizumabに修飾することで硝子体との動的な結合が生じ,眼内滞留性が向上することが期待され,PEG-FPBAによる修飾を試みている.しかし安定した合成が得られず,Bevacizumab-PEG-FPBAの作成に苦慮している状況である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

安定したBevacizumab-PEG-FPBAの合成が行えておらず,Bevacizumab-PEG-FPBAを用いたin vitro, in vivoの実験が行えていないため.

今後の研究の推進方策

FPBA-PEGの合成条件を調整し,安定した合成を得られるように努める.またFPBAの種類も様々なものを用意し,安定した合成を行えるものを探索する.Bevacizumab-FPBA-PEGの安定した合成が得られれば,in vitroの実験として,ヒアルロン酸溶液内での拡散速度の低下の確認,そして,in vivoの実験として兎眼内での拡散速度の低下の確認を行う予定である.

次年度使用額が生じた理由

Bevacizumab-FPBA-PEGの合成が滞っており,その後のin vitro, in vivoの実験が行えていないため次年度使用額が生じた.次年度はBevacizumab-FPBA-PEGの合成条件を微調整し安定した合成が得られれば,in vitro, in vivoの実験で拡散速度が低下するかを検討する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Analysis of the sustained release ability of bevacizumab-loaded tetra-PEG gel2022

    • 著者名/発表者名
      Murakami Tomoya、Hoshi Sujin、Okamoto Fumiki、Sakai Takamasa、Katashima Takuya、Naito Mitsuru、Oshika Tetsuro
    • 雑誌名

      Experimental Eye Research

      巻: 223 ページ: 109206~109206

    • DOI

      10.1016/j.exer.2022.109206

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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