研究課題
若手研究
歯周病と糖尿病は互いの病状に悪影響を及ぼすことが知られているが、その因果関係の理解には、両疾患に共通の増悪因子を解明することは必須である。本研究では、長崎大学病院歯科保存治療室に来院したStage II以上の初診の歯周病患者を対象とし、末梢血単核球のNLRP3インフラマソームプライミング状態を比較したところ、歯周基本治療後にNLRP3インフラマソームプライミング状態は低下し、歯周組織における炎症が末梢血のNLRP3インフラマソームプライミングを介して糖尿病に影響していることが示唆された。
歯周病学
歯周病と2型糖尿病との双方向的関連についてはよく知られているが、歯周病がどのようにして2型糖尿病に影響を与えているかについては不明な点が多い。本研究では、歯周組織による炎症が末梢血白血球のNLRP3インフラマソームをプライミングし、プライミングされた末梢血白血球が血流を介して2型糖尿病に影響を与えていることが示唆された。これらは、歯周病と糖尿病の関連についての理解を深めるとともに、これらの疾患の病態の新たな指標となることが期待される。