研究実績の概要 |
閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)に対する治療は, 医科で行うCPAP治療が主流だが, 近年歯科で行う口腔内装置(OA)治療の有用性が医科でも認められつつある. OAは下顎を前方に牽引するタイプが主流で, 構造的に上下一体型OAと上下分離型OAに分類される. 本邦では保険制度上の理由から, 簡便で安価な一体型OAが主に用いられている. しかし世界的にはOAの装着感や下顎位の調整のしやすさから, 分離型OAが主流である. 本邦でも分離型OAの普及を図るためには, 一体型OAと比べた際の分離型OAの有効性を客観的に調べる必要がある. しかし現在までに報告は少なく, 現状分離型OAが有効かは示されていない. 本研究では,OSAへの口腔内装置療法における分離型口腔内装置の有効性についての診療ガイドライン作成に必要な科学的根拠を確立するために,ランダム化比較研究を実施する. 分離型口腔内装置の睡眠呼吸障害への治療効果, 患者報告アウトカム(QOL,満足度)に関する有効性,副作用(咬合接触面積及び接触点の変化)を明らかにする計画を作成した. 2023年度はサンプルサイズ計算のための予備実験を行い、倫理審査申請のための準備を行った.
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