変形性顎関節症は、下顎頭軟骨の破壊による骨の変形を伴う退行性病変であり、関節痛や開口障害、咬合不全を引き起こす。過度な機械的負荷や加齢、ホルモンなど様々な因子が関係する多因子性疾患と考えられているが詳細は不明である。生理学的には滑膜炎や関節内の潤滑機能の低下を契機とし、その後細胞外マトリックスの喪失、軟骨組織の破壊へと進行する。発症メカニズムに不明な点が多いことから、現在治療法としては関節への負荷を軽減させるマウスピースや消炎鎮痛剤の服用といった対症療法が主であり、その効果は限定的である。 本研究では変形性顎関節症を誘発する関節円板前方転位モデルラットを作製し、その発症メカニズムを追究した。
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